最期までお金で困らない

今回のブログは、おそらく誰もが望んでおられるこのテーマについて、書いてみます。
資産運用によって、人生を最後(統一?)まで「守り切る」…
いざという時に、保険で家族や自分を「守る」…
ある程度の預金によって、今の生活を「守る」…
時間軸や次元は違っても、「守る」という行動は、お金に困らないためには不可欠です。

スポーツでは、「逃げ切る」という表現があります。
たとえば野球では、最終回にクローザーと呼ばれる抑えの切り札が登場し、1点差を辛くも守り切るという試合。そんな試合は、ハラハラドキドキ、まさに「逃げ切る」展開です。
せめて2点、3点の差があれば、少し余裕を持って観戦できるのですが(笑)

しかし、これからが長い若い人たちは、まだ試合展開はどうなるかわからない、人生のまだまだ序盤を生きておられます。
これからの日本、世界がどういうふうになっていくのか、その中で、自分自身の人生の舵をどう切っていくのか。
私、目黒FPはちょうど人生の半ば、50台を生きていますので、その経験を活かしつつ、まだ先が長い同じ立場から、真剣に「守る」というブログのサブテーマを連載してまいります。

日本経済の隆盛と人口動態

今後、日本経済はどうなるのか
誰にも確実なことはわかりませんし、多くのアナリストの予測の大半は大きく外れます。
特に短期的予測の的中率は酷いものです。
しかしただ1つ、ほとんど外れることがない、外しようがないとも言える長期的予測が1つだけ存在します。

「人口動態に基づく経済の予測」です。
この予測だけは、外れない、外しようがない確実性を持っていて、実際に、これまでにその確実性は日本でも米国でも証明されています。

まず、日本での証明からお伝えします。
日本の年齢別人口は、1990年の時点で40歳あたり(40〜45)の人口が最も多い社会でした。
この1990年に日経平均株価は頂点を極め、以降下がり始めて、日本は長い経済低迷期に入りました。

40歳という年齢は、生産性がピークを迎える、まさに働き盛りです。
消費者としても家庭ができて、借金してでも家や車、ブランド品を買ったりするなど、消費行動も最も盛んな頃でしょう。
こういう状態では、経済全体もやはり潤うのです。

以降日本経済は20年にも及ぶ低迷期を経て、団塊の世代すなわちベビーブーマーのジュニアたち「団塊ジュニア」世代が40歳に達してようやく経済発展期が訪れました。
日経平均株価は1990年以来の3万円台を一瞬回復したことは記憶に新しいところです。
しかしこの30年ぶりの大きな伸びも、残念ですがここが頂点でしょう。
日本の人口全体もさることながら、特に働き盛りの現役世代の人口が激減していく一方なのです。
とめどない少子高齢化によって、極めて深刻な状況が確実に訪れると思われます。

どうなるアメリカ

アメリカ経済の予測の前に、アメリカですでに証明された事例をお話しします。
日本経済が頂点だった1990年から10年、アメリカの株価は頂点を極めました。いわゆる2000年バブルです。
その頃、アメリカの年齢別人口は40歳あたり(40〜45)の人口がやはり最も多かったのです。

このように、日本でもアメリカでも人口動態に基づく経済動向は証明されています。
もちろん世界各国で、人口動態の大きな変化には時間がかかり、その影響は数十年にわたって持続し、経済の広範な領域に大きな影響を与える可能性があります。
それゆえ、人口動態に基づく経済の予測は外れることがほとんどないと考えられるのです。

ミレニアル世代とは?

ミレニアル世代とは、およそ1980年から2000年の間に生まれた年齢層と定義されます。


その中で最も高齢の年齢層は現在40歳代に入っていて、最も若年の年齢層はまだ20歳代前半を過ごしています。
このミレニアル世代の人口は、アメリカでは約9,000万人にものぼり、ベビーブーマー世代を抜いて米国最大の年齢層になっています。
20歳台前半から40歳台前半の世代ですから、労働力人口に占める割合も、もちろん最大です。
しかも、教育水準がもっとも高い年齢層でもあるのです。学歴が学士号以上の比率は、ミレニアル世代がなんと40%前後にものぼります。これに対し、X世代(説明必要)は29%、ベビーブーマー世代は25%です。

アメリカではこのミレニアル世代の労働力に占める比率が、2030年までになん75%にまで達すると予想されているのです。
さらに、ミレニアル世代は、推定30兆ドルの資産をベビーブーマーの世代の親から相続すると予想されています。
要するにミレニアル世代は、その人口規模や若さ、高い教育水準、巨額な相続資産により、今後長年にわたり米国経済をけん引する消費者層になるともいえるでしょう。
アメリカの経済は今後20年間、かなり明るいと私は思っています。

どうなるニッポン

日本とアメリカの違いの最も大きいことは、今後20年間は世界経済を引っ張っていく世代と言われているミレニアル世代のボリューム、パワーの違いです。
こうした観点から再び日本の状況を見ると、明るい材料がありません。

令和の時代を迎えた現在、平均寿命は男性約81歳、女性約87歳と大きく伸びています。医療技術の進と相まって、今後もさらなる長寿化が見込まれています。現在60歳の人の4人に1人は95歳まで生きるという試算もあり、まさに人生100年時代を迎えようとしている感があります。

この長寿化に加えて、我が国の人口動態からきわめて深刻とされるのが、少子高齢化なのです。人口ピラミッドで見ると、かつては「富士山型」であったものが、現在は「ツボ型」となっていて、これからは「ツボ型」の形状は変わらないものの(さらに先は逆三角形になるのはよい?)、高齢者が若年者に比べて突出して多いという姿になることが見込まれています。

日本は、世界に例をみないほど急速に「高齢化」が進行しています。同時に、出生率の低下による「少子化」も進んでおり、21世紀半ばには、国民の2.5人に1人が65歳以上の高齢者という超高齢化社会が到来することが予測されています。
高齢者が増えると、税金が使われている医療や年金、介護などに必要なお金が増えていくことになります。増税も避けられないはずです。高齢者の生活を支える若い人の数は減っていくと予想されていますので、今のままの税のしくみでは、私たちの生活を支えることが難しくなる一方だからです。

どう守る我々の人生

このブログをお読みいただいている方は、まさに「どう守る自分の人生」というテーマにしっかり向かっておられる方々だと思います。
具体的には、どうすれば自分の人生を「最後まで守れるだけのお金を確保するか」に関心がある方だと思います。

そういう方なら、おそらくNISA(ニーサ)という言葉を耳にされたことがあると思います。
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合に、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかりますが、NISAとは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益は非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度のことです。

日本の政府は「ニッポン丸」の舵取りを国民から託されているわけですから、少子高齢化による絶望的な年金制度に対して手を打つ必要に迫られ、イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という国民が非課税で資産運用できる制度を用意しているのです(NISAについてはブログサブテーマ「ふやす-1」(リンク)で詳しく解説しています)。

NISAをすでに初めておられる方も増えていますので、私が懇意にさせていただいているファイナンシャル学院が、NISAまたはつみたてNISAをやっておられる方にアンケートをとる形で、その利用目的をお聞きしました。
半数の方が「老後の資金づくり」とお答えになっていて、これは良くわかります。
意外だったのは次に多かった回答で、「特に目的は考えていない」というものでした。
実に4人に1人以上の方が目的もなく運用を始めておられることに、私は驚きました。

目的のない運用って、たとえば暗闇の中の階段を登らされているに等しい、あるいは砂漠の中で独りゴールのない道をひたすら進んでいくようなものです。
「どう守る我々の人生」というテーマを真剣に考えておられるブログ読者の皆さんに最初にぜひ行っていただきたいのは、ライフマネーの総額の算出、すなわち「ゴール」の設定です。
「人生を守り切る」という目的に必要なお金のゴール(目標金額)を明確にしてお金を増やしていくことを、「ゴールベースアプローチ」と呼びます(ブログサブテーマ「使う-1」で詳しく解説しています。

仮に、人生三大資金と呼ばれる一つ目の住宅資金、二つ目の教育資金をなんとか乗り切って、最後3つ目の老後資金として「70歳時に5000万円」というゴールを明確に設定された場合、あなたの現在の年齢からそれはあと10年後なのか、20年後なのか、若い方なら40年の資産形成をどう計画するのか、いずれも不可能ではないですが残された年数によってゴールへのアプローチの仕方は大きく変わります。月々積み立てる金額も変わりますし、金融商品も株がいいのか債券がいいのか、求める運用利回りも変わってきます。ゴールが定まっていなければ、どうすれば良いのか、何が適切なのか、ゴールへの到達方法を正しく絞り込むことができません。
「どう守る我々の人生」の第一歩は、ゴールの設定です。
ゴールの設定なくして、「人生を守り切る」ための戦略や計画は立てようがないのです。

今の生活と将来を守るために

ライフマネーの総額すなわちゴールを明確にしたら、今度は、あなたの「現在地」すなわち今あるお金(預貯金)や収入レベルをしっかり把握する必要があります。

ゴールと現在地にはおそらく大きな開きがあることでしょう。
しかし、大切なことは、その開きを客観的に見つめることから逃げないことです。

逃避さえしなければ、現在地からゴール設定までの年月でこのギャップを埋めていく適確な計画を立て、コツコツと計画通りに実行していくことができるはずです。
険しく遠い道のりであっても、なんとかゴールにたどり着くことができるでしょう。

私、目黒FPも、会社を辞めて独立した直後には、大きな経済的危機を経験しました。
とても苦しかったその時点で見つめた「現在地」と、「ゴール」とはおよそかけ離れたものでした。
ですから、自分自身のそうした経験から、誓って無責任なことやいい加減なことをこのブログで書くことはありません。
そこは信じていただいて、今の生活を守るための「家計」についてのアドバイスを参考になさってみてください。

そもそも、家計の「あるべき姿」というのはどういう姿なのでしょうか。
家計の「あるべき姿」とは、家計の収支において、理想的配分ができている状態のことです。
家計を、「基本生活費(ライスマネー)」、「予備費および貯金の一部(日常必要なライクマネー)」、「貯蓄および投資(将来必要なライクマネーの形成)」の3項目に大きく分けたとき、それぞれの比率が6:2:2であれば、それは理想的配分であると私は考えています。

あなたの現在地において、絶対的なものは基本収入です。
収入から税金が引かれて、手取りがいくらあるか、です。
ではこの「手取り」を、現在どう使っているかをチェックしてみてください。

今の生活を守り、将来起こりうるまさかの事態に自分や家族を守り、そして老後も人生を守り切るために、望ましい現在の家計の理想配分をお伝えします。
ここでは、これから長い人生期間がある比較的若い方、たとえば手取り月収が22万円で一人暮らしの方が、ゴールにしっかり到達するためのベーシックモデルとしての家計を考えてみましょう。

まず「基本生活費(ライスマネー)」は、手取り月収の6割程度に収まっていることが理想です。
食費、家賃、光熱水道費、など、生活をする上で必ずかかるお金があります。
この基本生活費にかけるお金は手取り月収の6割程度と考えるのです。

住居費
6万6,000円 (少なくとも手取りの30%程度までには抑えたいところです)
光熱水道費
1万1,000円 (手取りの5%程度 電気6000円・水道2000円・ガス3000円程度。最近の電気代高騰で、この
ラインは厳しいですが、若い方なら基本生活費が6割を超えて7割になっても、ゴールまでの年月がか
なりありますから大丈夫です)
食費
3万3,000円 (手取りの15%程度。自炊を基本にランチなど外食も含む)
通信費
1万1,000円 (手取りの5%程度。携帯電話の契約の見直しが必要かも)
交通費
6,600円 (通勤費が会社支給の場合でも休日の交通費などが必要)
保険料
2,200円 (医療保険 独身時代は最低限の医療保険などに絞って)
生活用品費
2,000円 (せっけん、シャンプー、トイレットペーパーなど)
合計13万2,000円(手取り月収の60%)

基本生活費(ライスマネー)の予算立てでもっとも気をつけたいのは、住居費や保険料など毎月必ず一定の金額でかかる、いわゆる固定費です。いったん契約すると基本的に節約することができず、変更に手間暇もかかるため、最初から金額が大きくならないよう注意しなければなりません。
この固定費は、既婚あるいはお子様がいらっしゃる世帯では、家計全体の中でよりインパクトの大きなものとなっているはずです。

次に、「予備費および貯金の一部(日常必要なライクマネー)」は、手取り月収の2割程度としたいものです。
生活をする上で必ずしも必要ではないけれど、お金をかけることによって生活を豊かにしてくれる交際費、教養・娯楽費、被服・美容費など)も総額(手取り収入の2割)を決めて毎月の予算管理をしたいところです。

交際費
(飲み会、デート、パーティー等) ⇒ 2万2,000円 (手取りの10%程度。)
教養・娯楽費
(図書費、スキルアップ費、習い事) ⇒ 1万1,000円 (手取りの5%程度。)
被服・美容費
(洋服代、化粧品代) ⇒ 1万1,000円 (手取りの5%程度。)
合計
4万4,000円(手取り月収の20%)

あくまで比較的若くて手取り月収が22万円で一人暮らしという場合の例ですから、既婚者やお子さんのいらっしゃる世帯などでは当然もっとかかります。しかし世帯収入(手取り)が40万円あっても70万円あっても、その中における「予備費(日常必要なライクマネー)」の比率は、やはり2割程度に収めたいのです。

この「予備費(日常必要なライクマネー)」は、人によって、また暮らしぶりによって金額も使い道や比率もかなり変わるものです。交際費にはあまりお金をかけないけれど、教養・娯楽費(あるいは被服・美容費)には相当のお金をかけたいという人もいらっしゃるでしょう。本格的に打ち込んでいる趣味やライフワークにお金がかかる場合があるかもしれません。

しかし、目的は「ライフマネー総額」すなわちゴールへの到達です。
そのために最も重要となる「貯金および投資(将来必要なライクマネーの形成)」を手取りの2割確保することや、「基本生活費(ライスマネー)」の無理な削減をしないように注意する必要があります。

また、世帯で考える場合、生活するために必要な食費・水道光熱費・通信費・家賃や住宅ローン・日用品などの費用が「基本生活費(ライスマネー)」ですが、家族で外食してゆとりを感じることも必要でであると考えれば、これを予備費(ライクワーク)と位置付けたり、子どもの習い事やおこづかいなども「予備費(日常必要なライクマネー)」として仕分けした方が良いかもしれません。

さて3番目の「貯蓄および投資(将来必要なライクマネーの形成)」ですが、手取り月収の2割程度を確保し、少なくともその半分を投資に回して長く継続していくことがゴールへの到達には必須であると考えてください。
この「貯金および投資(将来必要なライクマネーの形成)」については、ブログサブテーマ「増やす」において、さまざまな角度から解説しています。ぜひお読みください。

次回以降、この「守る」というサブテーマにおいては、いざという時に自分や家族を守るための保険について書いてまいります。ぜひ、一緒に考えていきましょう。